スローな日記

気ままに書きます(ほぼ飲み日記)

「個」を見つめるダイアローグ

村上龍の視点はサラリーマンの琴線に触れるところをうまく見極めていると常に感じる。
今回は伊藤穰一との対談形式で日本社会の問題点を語っている。特に、印象に残ったのは、以下のようなところ。

  • 自分自身が偉くなったとしても、その偉いポジションについても、あまりメリットが無くなってきている
  • 今は偉くなりたいとと思う人はバカに感じる...ただ「偉くなりたい」と考えている人は凄く少ないと思う。それより、自分の人生を充実させたいと思うほうが健康的だ

まだまだ「偉くなりたい」という人は多いとは思うが、そう行った人々も本質的には意味が無いということも理解しつつある。
それでもこれは「年功序列」のように20,30年たってもなかなか中心から外れていない。矛盾するのが分かっていてもそもそも会社生活にとって必要な要素なのか、それとも本当に僅かにしか変化しにくいものなのか、まだ微妙だ。


また、個人的に完全に共感したのは「旅行するなら基本的に一人旅の方が、景色や風景の印象が心に刻まれていつまでも忘れない」という最後の方の会話だった。
もう個人旅行をすることは難しくなってきているが、個人で旅していると本当に「出会い」を感じる。団体旅行は楽しい面も多いかもしれないが、まさに「水族館のガラスのトンネル」に近い。
彼らの主張の中で若干疑問に思ったのは、2chとかの匿名掲示板に対する感覚か。これらの影響力は確かにアンダーグラウンド的で、マイナス面も多いが、情報の即時性や深さにおいて社会的な影響力は強い。人によっては個人生活の方向性にも影響を与えられている可能性も否定出来ない。


そういえば、梅田望夫氏が加わって話していても違和感無いような内容の本かな。

「個」を見つめるダイアローグ

「個」を見つめるダイアローグ